保育園の改修工事から生まれた「自由な参加型リノベーション」

ナリワイづくり

最近、ちょっと変わったお仕事をさせてもらいました。

それは、「保育園の改修工事」のお仕事です。

筑紫野市のおむすび保育園さんで、現在は使っていない部屋の床や壁を張替え、キッチンとの間にカウンターを作り、扉を付けるといった工事。受注したのは、私と色んなプロジェクトを一緒にしているSUNROKU作業所の木工職人北川友浩さん。

北川さんは個人で、住宅リフォームやカフェリノベーション、木工家具作りや雑木アートなど職人の技が生きるシーンで色んな活動をされています。

その北川さんが保育園の改修工事を請け負ったわけです。

では、そんな案件の中で、一体私は何をしたのでしょう?

大工さんと子どもたちの通訳のおしごと

ザックリ説明すると、大工さんと子どもたちの間に立つ役割でお仕事をしました。

今回の改修工事、おむすび保育園さんからすると、せっかく保育中に園舎の改修工事をするんだから、出来れば子どもたちにも何か関わらせてあげたい。大工さんのお仕事を見せてあげたい。

そう思うわけです。

しかし、北川さんが改修工事をしながら子どもたちの相手をするのはかなり大変です。

「ねーねー何してるの?」

「この道具は何に使うのー?」

「ねーこの木貰っていいー?」

子どもたちはモチロン構わず話しかけまくってきます。

慣れたら部屋に入ってきてうろちょろしたり、その辺のものを触ってみたりもします。

とても工事どころではなくなるわけです。

そうなると部屋を締め切って、立入禁止にして、ただただ改修工事をするだけになってしまいます。

それでは園児も可哀相。

ということで私の出番です。

私は以前北川さんと自分ちのフローリング張替えやベランダ塗装などをセルフリノベでお手伝いさせて貰ったり、知人宅の外壁塗装を一緒にした経験がありました。

子どもたちとの関わりは言わずもがな本職です。

つまり、改修工事を手伝いながら、子どもたちも安全に見学できたり、自分たちで何かやってみたりすることができる現場づくり。

の役割としてこの保育園改修工事の仕事に入ったというわけです。

廃材はこどものおもちゃ!発想豊かな遊び方

そんなこんなで現場入りして工事がスタート。

案の定、子どもたちは興味津々でたくさん質問してきます。

北川さんは作業を進めながら、それには私が答えます。

道具のはなし、工事のはなし、私のはなし、関係ないはなし(笑)

子どもたちはここには入っていいんだ。喋っていいんだと安心してくれ、たくさんお話してくれました。

そして、作業中に出るいらない木材は子どもたちに渡します。

「これあげるっ!」

端切れの板やカンナの削りカス、ブロック状の角材など子どもたちは何でも持っていきます。

そして、それを自分たちで遊び物にします。

ブロックにしたり、線路を作ったり、お皿にしたり、平均台を作ったり、投げてみたり、転がしてみたり、乗ってみたり、飽きてみたり(笑)

存分に木に触れ合って、ちょっぴり大工さん気分も味わってくれました。

卒園制作で木工カレンダーづくり

さらに、園長の中塚さんから「卒園児で何か記念制作ができないか?」

とご相談がありました。

もうじき4月になり、おむすび保育園を卒園する子どもたちにせっかくの機会だから何か形に残るものを作らせてあげたい!

フツーの改修工事では絶対にできないし、しないこと。

でも、このタッグではそれが可能です。

というかそれに応えられないと私がいる意味はありません。

考えた末に、木工カレンダーづくりの案が浮かび、園にも提案して即採用。

次の日から、改修工事をしつつ、木工カレンダー作りも行いました。

保育園のみんなで木にヤスリをかけてスベスベにするぞー!

卒園児のみんなで数字を描くぞー!自由な発想で色々書いちゃおう!

最後は釘をトンカチで打って、枠を完成させるぞー!

見事に、可愛くて子どもたちの自由な発想が詰まった世界に一つだけのおむすび保育園だけのカレンダーが完成しました。

改修工事も無事に終了!

子どもたちがいない時間は私も改修工事のお手伝いをします。

北川さんがうまく準備して、マネジメントするので、子どもたちがいても、お昼寝時間に大きな音が出せなくても、予定していた工期でしっかりと完成したお部屋がこちら。

新たなチャレンジを応援する机をプレゼント!

完成したこの部屋はこれから小学生たちのために使うそうです。

「小学生が何もしなくてもいい場所」

毎日、小学生の子どもたちは学校や宿題、習い事、塾など多くの「すべきこと」に追われて生活しています。

そんな今だからこそ、「何もしなくてもそこに居ていい場所」を提供したいと園長の中塚さんは語っていました。

メッチャ共感しますね。

そして、その想いに共感する北川さんが保育園に子どもたちが使う机をプレゼント。 発注されたわけではないけれど、「資材があったし、時間もあったし」と言いなが作業所で机を作る北川さん。

これからおむすび保育園さんがチャレンジする新たな取り組みを応援するキモチを込めて、改修した部屋にピッタリな木のぬくもりのある机をプレゼントしました。

この辺の優しさと気遣いが北川さんの魅力です。

※北川さんのリフォームがいつでもプレゼントするわけではありませんので(笑)

改修工事の新しいカタチ「自由な参加型リノベーション」

今回、北川さんとタッグを組んで行ったこの改修工事は今後、新たな改修工事のカタチとして色んなところでやっていける気がしています。

題して、

「自由な参加型リノベーション」

改修をするその場所に住む人、使う人、関わる人など関係者が一緒に参加するリノベーション。

確かに、すでにいろんな場所でセルフリノベとか参加型の同じようなプロジェクトは行われています。

しかし、 今回のように保育園の改修に子どもたちを関わらせるというカタチはあまりありませんし、その上、改修工事とは関係のない卒園制作までするなんてこともなかなかありません。

そして、 重要なのは「自由な参加型」という点です。

リノベする業者が、完成の形をイメージして、やることは決まってて、参加者に必要な作業をさせるだけ、難しいところはプロがやるから。

くらいでは、「自由な参加型」とは呼べません。

作業ができない子どもでもOK 、改修工事しながら別のもの作るのもOK、工事しながら新しいアイデア生まれたらそれもやっちゃおう!もOK。

異業種、異スキルを持つ者同士が一緒にするからこそ可能なプロジェクトができます。

そんな自由な参加型リノベワークは今後も色んな所でやっていけそうです。

実は、来週も熊本県高森町で1泊2日のボロ屋DIY合宿をします。(オープンイベントではなく関係者のみ参加です)

私も行きますが、現時点で何をどうするかは全く知りません(笑)

ボロ屋をどうリノベするか、その後どう活用していくか、その周辺をどう作り込んでいくか。

そんなことも含め、みんなでキャンプしながら、焚き火を囲みながら進めていきます。

お仕事の依頼お待ちしています!

もし、今回行った保育園の改修工事のように、子どもたちも参加させながら拠点をリノベーションしたいと思った方は、ぜひお声掛け下さい。

保育園・幼稚園、学童保育、学校、フリースクール、それ以外にももちろん子どもがいなくても職場やコワーキングスペース、カフェなど自由に参加できる形を一緒に考えていけます。

興味のある方は、ノビトワークスWEBサイトやSNSからダイレクトメッセージを送って下さい。

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