今日は突然ではありましたが、新たな空き家活用のご相談を受けました。
現在、基山町で進行中の空き家プロジェクトとはまた別の話で、鳥栖市の空き家です。
基山町の空き家活用プロジェクトについての記事はこちら↓
実はこのオーナーさんがいくつか空き家を所有しており、色んな可能性や難しさを同時に実感する日となったのですが、今回はその中で最も動き出す可能性がありそうな物件について書いていきます。
需要がありそうでない空き家
この物件は、鳥栖市の駅近にあり、場所は良好。
一階はアスファルト敷で、二階は和室というなんとも変わった形。
もともとクリーニング屋さんだったとか。
オーナーさん曰く、何かに使えるだろうと思っていたそうだが、意外とマッチせず今まで空き家のままなんだとか。
確かに、私がパッと見でもなんか需要がありそうな気がしましたが、案外いい巡り合わせがない場合もあるんですね。
物件の写真はこんな感じ。
どことなく基山の空き家に似てる気がします。
同じような建物が同じような時期に、転換期を迎えるものなんでしょうね。
一階はコンクリートの打ちっぱなし。
それなりに広さがあり、ガレージでも使えそうだし、インダストリアルなオフィスとかならそのまま木製家具置いたら完成しそう。
奥には風呂とトイレもあって、まだまだ使えそう。
二階へは無骨な階段を上がっていきます。
基山物件の時も思ったけど、俺はこういう階段見るとワクワクする変態性があるようだ。
ボロい階段フェチ?
二階にはまずキッチン。掃除してコンロを変えれば使えるでしょう。
次に昭和らしい部屋。
この床面のデザインとかメッチャ昭和レトロの家にありがち!
奥は結構広めの和室が3.4部屋。
ところどころディティールが凝ってるのが乙ですね。
こちらも畳と壁の補修をするだけで使えそう。
見れば見るほど、何か使い道ありそうだし、借りる人いても全然おかしくないけど、意外といないということみたいです。
今、基山町の物件でやろうとしているシェアオフィス型でも十分に機能しそうな気がしますが、私もこんな同じようなプロジェクト2個も3個も回していくのはシンドイので、こちらは誰か使いたい方をマッチングしていこうと思います。
幸い何人か、空き家を探してる!って人を知ってますので、まずはそちらに投げてみます。
改修やそれに伴うデザインやその後の運営のための仕組みづくりのアドバイスなどでは関われると思うので、そういう形でサポートしていこうと思います。
古き良きものを残すまちづくり
また、ここでは紹介してませんが、オーナーさんに見せてもらった空き家の中には、お屋敷のようなムチャクチャ立派なところもありました。
庭とか納屋とか離れとか門とか、もはや重要文化財!
マジでカッケーし、その辺の観光地とかにありそうな建物でした。
そこは現在オーナーさんが住んでいたので写真はありませんが、高級日本料理屋とかをしたい人がいたら言ってください。紹介します。
その家の話の中で、オーナーさんと話していた鳥栖市というまちの性質の話。
「古いものを壊して、新しく変えることがこのまちの基本的な考え方になっている」と。
佐賀市の柳町や日田市の豆田町など、古き良き建物をまちが保全して、残して、活用して、そのまち独自の文化や愛着を育もうとしている場所もある中で、鳥栖市はどうか?
古き良きものが「活用者がいない」「もっと他に需要がある」と言われ、マンションになったり、工業地帯になったり。
古き良きものが残っていかないから、だんだんそのまちらしさの風景がなくなり、やがて愛着も薄れていく。
何十年も先のことを考えたらそれはとても危険な道だと。
仰るとおりです。大共感です。
ノビトワークスが「ふるさとを遊ぼう」「若い世代にこのまちの原風景を」と言ってるルーツもそこにあります。
ただし、それをまちのせいには私はしたくありません。
市役所のせい?市長のせい?議会のせい?
いいえ。違います。みんなのせいです。
結局のところ、このまちにはそんな昔ながらの風景を、古き良きものを残して生かしていける”ヒト”がいなかったから、その声を、活動を、広げて文化として根ざしていけなかったからこうなってるんだと思います。
もちろん、中にはそんな活動に尽力してきた方もいたでしょう。
その人たちのおかげで幾分か歯止めが効いていたことには感謝します。
ただ時代は移り変わってます。いつまでも先人たちに頼ってばかりでは何も変わっていきません。
今までやってきたことは、ホントにこれからの時代でも、令和でも、コロナでも勝っていけますか?
まちをアップデートする新しい息吹を、このまちらしさを継承していけるぐらいの圧倒的な活動を。
関係するみんなでつくりあげていかないとそんなまちはできないと思ってます。
古き良きものを残して生かすまち。
そんなまちを思い描いて。。。