明らかに集客が難しい「高学年対象」にする3つの理由「新しいスポーツ教室構想の舞台裏」④

ナリワイづくり

今月は「オンラインサロン スポフクって何してるの?」という人のために、サロンにほぼ毎日投稿している「スポフク朝刊」の過去の投稿を紹介しています。

以前、サロン内で投稿した「新しいスポーツ教室構想の舞台裏」の話、全5回シリーズを全てこちらで公開します。

これまでの記事はコチラ↓

スポーツオンラインサロン「スポフク」についての記事はコチラ↓

今回は第4弾!前回までの投稿で、この教室の全容や地域スポーツにおけるニーズの話、教室事業の設計の話などがつかめたと思います。

そこで、第4弾ではチャレンジの話。

この教室では明らかに勝率が下がるのは分かってて敢えてチャレンジしようとしていることがあります。なぜそんなことをするのかというお話です。

チャレンジをする3つの理由から、スポーツ教室に関わらず、自分で事業を立ち上げる上でムチャクチャ大切なことに関するお話です。

プロジェクトを立ち上げようとしている人、やりたいことを実現させようとしている人はぜひ読んでみて下さい。

以下がサロンに投稿した記事です。

参加対象を絞るというチャレンジ

新しく仕掛けるスポーツ教室は、これまでの投稿をまとめるとこんな感じです。

・色んなスポーツをコロコロ変えながらやる
・週1の教室以外は必要最小限何もしない
・対象はライト層(スポーツガチ勢ではない)
・クラブを辞めようと思ってる人にフォーカス

そして、こんな教室のニーズがあること市場が拓けていること、その上で他にないことが分かったところで、では、私がこの教室でどんなチャレンジをしようと思っているのか?

それは「参加対象の制限」です。

結論を言うと、教室の参加対象を「小学校高学年」に限定しようと思ってます。

これがなぜチャレンジなのか?

まず1点目は、前回の市場の話を思い出してみてください。

幼児期には仕方なく(もちろんしたくてしてる家庭もあるが)色んな習い事をしている人がいて、それを小学校に上がってもある程度続けるために、週1程度の運動の習い事を求めているという話をしました。

また、第1回目に投稿した「習い事の持つ2つの役割」のうち、子どもの見守りの場としての役割を重視している教室においては、低学年の方が圧倒的にニーズがあります。

高学年になれば、家で一人でお留守番できますし、子どもが「このクラブに入りたい!」とか「この競技をやりたい!」とかある程度「ガチ」を求め始めますので、レクリエーション系の需要は明らかに減ります

つまり、低学年から対象に入れれば、集客面でかなり有利に働くことは周知の事実ですが、敢えて勝算が低い高学年限定に振って募集をかけていくということがチャレンジする点だということです。

チャレンジをする3つの理由

では、なんでそんなチャレンジをわざわざするのか?

ここでは、そのチャレンジをする理由を3つのポイントで話します。

どれもスポーツ教室に関わらず、自分で事業を立ち上げる上でムチャクチャ大切なことです。

① 教室(サービス)自体がより面白くなるから

まず、1つ目は大前提としてサービスの質を考えたら高学年限定にした方が確実に楽しく面白い教室になるからです。

スポーツをする上で、年齢や対象があまりにバラバラすぎると力の差が顕著になって面白くなくなったりしますよね?

小学校1年生と6年生とではだいぶ違います。もちろん20人程度の規模では一緒にやれないことはないです。

ただし、種目も選びますし、チーム分けも重要です。

そして、特に面倒になるのが忖度です。

「みんながプレイに関われるようにしないと」

「チーム全員で協力して」

「低学年の子にも花を持たせてあげて」

など、子どもたちがスポーツをやる時に大人たちからよくこんな横槍が入ります。それってヤラセみたいなもんで子どもからしたら一気にテンションが下がります。

全学年対象になると、こちらが何も言わなくても学校や家庭でそれが正義だと教え込まれている子どもたちはそれをしちゃいます。

だから必然的に面白くなくなるんです。

そうして高学年は自分のレベルでやれないから辞めていき、おそらく教室を続けていくと、最終的に低学年ばかりが残り、それにより色んなスポーツをやれなくなります。

そうなると元々のコンセプトがズレてきます。

そうならないために高学年に限定して、同じくらいの強度で色んなスポーツができる教室にする方がサービス価値は確実に上がります。

また、単純にその方が私もやってて楽しいというのもかなりデカイです。せっかく色んなスポーツやるなら楽しくやりたいので。ただの子守りになってもつまらないし。

② 幼児から小学校卒業まで全てをカバーできるから

2つ目の理由は、私の教室事業全体のバランスを考えるとその方が都合がいいからです。

今実施している「楽しいだけのサッカー教室」は去年、幼児クラスだけ最初にはじめました。

しかし、その後「小学校になっても続けたい!」という子が出てきて、低学年クラスも始めました。

今年は、幼児クラスから卒園する子たちの半数が低学年クラスに持ち上がりました。

というわけで、次は低学年クラスからの持ち上がりというわけです。

高学年になったら「楽しいだけの丸ごとスポーツ教室」を案内できれば、年少から小6までをカバーできることになるので、一度教室に入ってくれた子と長く付き合うことができます。

逆に低学年から入れちゃうと、教室同士が食い合うことになるので、効率が非常に悪い。ただでさえニッチな市場に向けたサービスなのに。

これが上手く循環していけば、お客さんのニーズと自分の指導のしやすさや面白さを考えて、低学年のサッカーの方も丸ごとスポーツ教室に変えちゃうこともできるし、その逆もしかりです。

柔軟に切り替えことも可能になります。

③ 誰かにさせる時にハードルが下がるから

最後の理由は、3年後あたりのビジョンを考えてのことです。

私も今は教室を自分で指導していますが、ゆくゆくは人に任せようと思っています。

誰もこの仕組みでしてないから自分自身がまずは実証実験をしているだけでこれをずっと自分で続けようとは思っていません。

というか自分だけでは続けることができなくなると思っています。(次回第5回で話します)

「型」「成功事例」を作ってしまって、あとはやりたい人がどんどん同じ方式でやっていったほうが、地域スポーツのアップデートは抜群に進みます。

だから、およそ3年後を目処にこの指導を他の人にしてもらおうと思ってます。その時のことを考えると、教室運営のハードルを下げておいたほうがいいんです。

低学年の子を見るのと、高学年の子を見るのでは、同じ教育でもスキルが違います。もちろんそれにスポーツという要素が加われば尚更です。

ただでさえ、年間とおして色んなスポーツを指導しつつ、「楽しい」と思わせることだけは至上命題ですので、そのためにルールなどの工夫をしなくてはなりません。

だからせめて年齢対象ぐらいは限定しておかないと次誰かがする時に困るというわけです。

ビジネスをする上で欠かせない視点だった3つの理由

以上3つが「高学年対象」というチャレンジをする理由です。

これらの理由をよく考えると、この辺の考え方は、なにもスポーツ教室に限った話ではないことに気づきます。

①教室(サービス)自体がより面白くなるから

集客にビビってサービスの質を下げない
続けるために自分が楽しいと思える形でする

②幼児から小学校卒業まで全てをカバーできるから

事業全体のバランスを効果的に考える
ファン(お客さん)を離さない工夫をする

③誰かにさせる時にハードルが下がるから

中長期的な計画を考えて設計する
仕事を人に振って自分がすべき仕事をする

どれもビジネス書に書いてありそうなことですよね。

自分で事業をしていたり、新しいプロジェクトに挑戦している人からしたら、当然考えているようなことなのかもしれません。

しかし、しっかり言語化して明確に自覚してみたり、それによりこれまでのやり方を変えたりする機会は意外と少ないと思います。

ことスポーツの業界においては、アップデートしたりない部分は山程あります。

数倍難易度が上がる高学年対象。結果を乞うご期待

このように高学年対象にすることが「チャレンジ」であると言ってきましたが、大してチャレンジじゃなくない?と思う人もいるかもしれません。

しかし、理屈を考えるとなかなか難しいんです。

高学年はすでに習い事が定着している子が多い上に、ガチ勢も多い。子どもを預けないといけないという親のストレスも少ない。

本当に低学年に比べると(この手の性質のものは)数倍難易度が上がると思ってます。スタートして数ヶ月したら、もしかしたら全然人が集まらなくて、低学年もOKにしてるかもしれませんw

その時は「チャレンジ失敗したな」と思って、ぜひあなたが何か事業をする時の参考にしてみてください。

私の失敗談は、幸いこのブログやノビトワークス公式YouTubeちゃんねるのノビトラジオでどんどん公開していきますので。

ノビトワークス
ノビトワークスの活動の様子を配信するYouTubeチャンネルです。

さて、シリーズでお送りしてきた「新しいスポーツ教室構想の舞台裏」いよいよ次回がラスト5回目です。

最後は、この教室の最終形態のビジョンについての話をします。

5年後以降のこの教室がどんな風になるのか、それにより地域のスポーツ環境がどう変わるのか。こんなちっぽけなただのスポーツ教室1つで本気で地域スポーツをアップデートさせたいと思っています。

お楽しみに!

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